「自分の本を出してみたいけどなんか難しそう」
「出版ってお金かかるよね…」
実は、Kindle出版なら個人でも無料で簡単に始められます。用意するものはパソコン(推奨)またはスマホだけです。出版できれば、Amazonストアにあなたの電子書籍が掲載されます!
この記事では、実際に8冊Kindle本を出版し累計300以上のカスタマーレビューを獲得している私きたひろが、Kindle出版のやり方やKindle出版のメリット、注意点を解説します。
Kindle出版のやり方7ステップ
Kindleは以下の7ステップで出版できます。出版できたKindle本はアカウントで「販売中」と表示され、AmazonやKindleストアのページに自分の本が掲載されます。
<Kindle出版のやり方>
- ステップ1. Kindle出版用のアカウントを開設
- ステップ2. 著者情報(氏名、住所、振込先、税金)を登録
- ステップ3. 原稿と表紙を準備
- ステップ4. アカウントから本のタイトルなどの詳細情報を入力
- ステップ5. コンテンツ(原稿と表紙)をアップロード
- ステップ6. KDPセレクトへ登録して価格設定
- ステップ7. 出版を選択して審査に通過すれば完了
ステップ1. Kindle出版用のアカウントを開設
画像引用:Amazon Kindle ダイレクト・パブリッシング
まずはKindle出版用のアカウント(KDPアカウント)を開設します。
普段のお買い物で使っているAmazonアカウントがあれば、「サインイン」からアカウントを開設することで、Amazonアカウントのメールアドレスやパスワードをそのまま使えます。
Amazon Kindle ダイレクト・パブリッシングから、「サインイン→KDPアカウントを作成する」の順に進みましょう。
ステップ2. 著者情報(氏名、住所、振込先、税金)を登録
KDPアカウントを開設したら、「アカウント」から著者情報(氏名、住所、振込先、税金)を登録します。
画像引用:Amazon Kindle ダイレクト・パブリッシング
Amazonの著者情報入力画面は独特で、住所や氏名は日本語なのにいちいちローマ字を打たされます。そこそこ時間がかかるので、慣れていない人は20〜30分程度の余裕を持って入力しましょう。スマホ用に最適化されていないので、パソコンからの入力を推奨します。
振込先は支払いの受け取り方法から「銀行口座の追加」をクリックして、自分の銀行口座を指定してください。
画像引用:Amazon Kindle ダイレクト・パブリッシング
銀行口座が正しく追加されると、以下の画面が表示されます。
画像引用:Amazon Kindle ダイレクト・パブリッシング
税金は「税に関する情報を表示/提出」を選択すると以下の画面が表示され、「インタビューを実行」をクリックすると入力画面に移ります。
画像引用:Amazon Kindle ダイレクト・パブリッシング
画面下部にある「納税者番号(TIN)」は、マイナンバーを入力してください。Kindle出版の売上は確定申告により税金を納めることになるので、Amazonから所得税を徴収されることはありません。消費税分はAmazonが売上から徴収します。
適用源泉税率が0%と表示されれば、著者情報の登録は完了です。
画像引用:Amazon Kindle ダイレクト・パブリッシング
ステップ3. 原稿と表紙を準備
アカウントの開設、登録ができたら、Kindle本の原稿と表紙を準備します。
原稿は作り方で解説していますが、Word(またはGoogleドキュメントをWordでダウンロードしたもの)でOKです。表紙は本気で稼ぐなら外注推奨ですが、最初から稼げるKindle本が出版できるほど甘くはないので、1~2冊目ならCanvaで自作したものでも十分でしょう。
※Canvaで自作したKindle本
表紙を自分で作成する場合は、必ずサイズを「幅1,600×高さ2,560ピクセル(px)」にしましょう。よほどデザインが優れている場合を除いて、他の本と違うサイズは悪目立ちするだけです。
Canvaでのサイズ設定はログイン後、右上の「デザインを作成」ボタンを押してカスタムサイズを選択すると、幅と高さを入力できます。
画像引用:Canva
作った表紙をダウンロードするときは、ファイル形式をJPGまたはJPEG(.jpg/.jpeg)にしてください。PNG(.png)はKindle本の表紙に使えません。
ステップ4. アカウントから本のタイトルなどの詳細情報を入力
原稿と表紙の準備ができたら、KDPアカウントから本のタイトルなどの詳細情報を入力します。タイトルの新規作成にある「電子書籍または有料マンガ」を選択して、必要な情報を入力しましょう。
画像引用:Amazon Kindle ダイレクト・パブリッシング
<出版時に必要な情報>
本のタイトル
タイトルだけ入れれば出版できますが、できればサブタイトルまで入れたほうがいいです。
画像引用:Amazon Kindle ダイレクト・パブリッシング
タイトルは表紙を変えない限り原則変更できませんが、サブタイトルは自由に変更できます。
著者
著者はペンネーム、本名どちらでもOKです。Kindle出版で稼ぐためには出版直後の宣伝だけは必須になるため、SNSのアカウント名と同じにしましょう。
画像引用:Amazon Kindle ダイレクト・パブリッシング
内容紹介
内容紹介は、AmazonやKindleストアで表示される「あなたの本の紹介文」です。単なる概要説明で済ませる人が多いのですが、あなたの本が読まれるかどうかの最後の決め手になるので、しっかりと自分のKindle本を訴求する内容にしましょう。
なお、パソコンで見ると「続きを読む」を押さない限り、内容紹介は最初の5行しか表示されません。最初の5行で興味を持ってもらえるように工夫しましょう。
■パソコンで見た場合の販売ページ(Amazon)
画像引用:Amazon
内容紹介は、出版後に何度でも変更できます。
権利と対象読者
権利と対象読者は、あなたが著作権者であるかどうか、露骨な性的表現が含まれていないかの確認です。自分が書いたものでパクリなどではなく、性的表現に該当しないなら以下の画像にしたがってチェックするだけでOKです。
画像引用:Amazon Kindle ダイレクト・パブリッシング
カテゴリー
カテゴリーは最大3つまで選択できます。分類が膨大で、出版時に自分のKindle本がどのカテゴリーになるのかわからない場合が多いですが、本の内容から逸脱していなければ問題ありません。
逸脱している場合、Amazonが自由にカテゴリーを変更する可能性があります。極端な話ですが、全く歴史の話をしてない本で「日本史」などのカテゴリーを選んではいけません。
参照:KDP のカテゴリー
ちなみに、以前は「お問い合わせ」からカテゴリーを10まで追加できたため、競合が弱いカテゴリーを探して自分のKindle本を無理やり追加し、ベストセラー(カテゴリー1位)をかっさらう手法が横行していました。2023年夏頃にAmazonが仕様を変更したため、現在はこの手法が使えないようになっています。
キーワード
キーワードは、AmazonやKindleストアで検索するときに自分のKindle本が表示されやすくするための「検索キーワード」です。SNSでフォロワーや登録者が1,000未満の人は、この検索キーワードを工夫することで、宣伝しなくても読まれやすくなります。
検索キーワードは7つまで入力可能です。
なお、どんなにキーワードを練って入力しても、タイトルやサブタイトルと無関係なものは意味がありません。たとえば「ブログの稼ぎ方」というテーマでKindle本を出版するなら、以下のようなキーワードが候補に挙げられます。
<キーワードの候補>
- ブログ始め方
- ブログ副業
- ブログ集客
- ブログ書き方
- ブログ収益化
専門的な言い方をすると「SEO対策(検索結果の上位に自分のKindle本を表示させるための対策)」を意識してキーワードを選びます。
SEO対策といわれてもよくわからない人は、Amazonの検索窓に「出版するテーマ+スペースキー」を押して、候補に出てきたものを優先して選びましょう。
■出版するテーマがブログの場合
画像引用:Amazon
ちなみに、Amazonが避けるべきキーワードを公表していますが、よほど悪意がない限り該当することはないです。ここまで完了すると、コンテンツ(原稿と表紙)をアップロードするページへ進みます。
ステップ5. コンテンツ(原稿と表紙)をアップロード
ステップ3で準備したコンテンツ(原稿と表紙)をアップロードします。アップロードできたら、縦書きor横書きのどちらかを選択し、AI生成コンテンツを使っている人は「はい」、使っていない人は「いいえ」にチェックしてください。
他の部分は空欄で構いません。
ステップ6. KDPセレクトへ登録して価格設定
コンテンツのアップロードができたら、KDPセレクトへ登録して価格を設定します。
KDPセレクトへの登録は、チェックを入れるだけでOKです。KDPセレクトへ登録すると自動的にKindle Unlimited対象書籍となり、読まれたページ数×0.4〜0.5円程度の収益が入ります。
参照:Kindle Unlimited
ただし、Amazon(Kindleストア)の独占販売にすることがKDPセレクト登録の条件となるため、Kindle Unlimited対象書籍は楽天Koboなどの他社プラットフォームでは販売できません。
※電子書籍市場のシェアはマンガを除けばAmazon(Kindleストア)がトップ
参考:インプレス総合研究所「電子書籍ビジネス調査報告書2023」
価格設定は、主なマーケットプレイスを「Amazon.co.jp」に指定すると日本円で入力できます。ロイヤリティ(≒印税)は70%、価格は250〜1,250円の間から選んでください。
画像引用:Amazon Kindle ダイレクト・パブリッシング
249円以下または1,251円以上の価格にすると、ロイヤリティは35%になってしまいます。
本の価格をいくらにしたらいいか迷う人は「有料で買ってもらう場合に妥当な金額」で設定しましょう。ページ数が少ないKindle本の場合、高い価格をつけると低評価が増える可能性があります。
私も本によっては980円など強気の価格設定をしていますが、競合がほとんどおらず内容にも自信があるから高めにしているだけです。競合がいる場合は、基本的には500円以下の価格を推奨します。
ステップ7. 出版を選択して審査に通過すれば完了
最後に「Kindle本を出版」をクリックすると、Amazonが審査をします。審査といっても、基本的には落ちません。早い場合は出版申請後12時間以内に審査が完了し、AmazonやKindleストアにあなたの本が掲載されます。
Kindle出版を個人がやるメリット
Kindle出版を個人がやるメリットは3つあります。比較的長めの原稿(最低でも1万文字以上)と表紙を準備する必要はありますが、文章を書くのが苦にならない人に向いています。
<Kindle出版を個人がやるメリット>
維持費などがかからない
Kindle出版は、維持費が一切かかりません。出版後ほとんど売れなかったとしても、原稿と表紙を自分で作って出版すれば赤字にはならないです。
よくおすすめの副業として挙げられるブログやせどりは、無料ブログなど一部の例外を除いて維持費や仕入れにかかる費用が発生します。
権威性が高まる
電子書籍を出しています、というと「え?出版してるの?」「すごい!」といった反応をいただくことがあります。私がKindle出版を始めた2021年と比べて出版者は増えましたが、ブログ・せどり・You Tubeと比べて一般化している副業ではありません。
Kindle出版をしている事実だけで権威性のある人、というイメージは出ます。本当はブログよりKindle出版のほうが簡単なのですが、一般的なイメージは「本を書いている人」といった感じで一目置かれます。
ブログより稼ぎやすい
Kindle出版は1円の収益でもAmazonから制限なく銀行口座に振り込まれるため、振込に一定金額以上の制限がある場合が多いブログより稼ぎやすいです。
実際に私は、Kindle本の収益が月50円未満だったこともありますが、ちゃんと振り込まれています。ブログ(アフィリエイト)の収益は全体の40%程度が0円であることを考えると、Kindle出版は「最初の1円を稼ぐ副業」としては最適です。
画像引用:日本アフィリエイト協議会(JAO)「アフィリエイト市場調査2020」
Kindle出版を個人がやるデメリット
一方で、Kindle出版を個人がやるときのデメリットが2つあります。「印税」や「権利収入」など聞こえのいいセリフで美化している人もいますが、現実はそこまで甘くないです。
<Kindle出版を個人がやるときのデメリット>
収益の限界値が低い
Kindle出版は収益の限界値が低いです。少し電卓で計算すればすぐわかりますが、月10万円をKindle出版だけで稼ごうと思うと、税込500円のKindle本の場合、月315冊売る必要があります。
Kindle出版の1冊あたりの収益は「(Kindle本の価格-消費税分)×0.7」となり、500円のKindle本では1冊318円しか稼げません。
有料販売以外にKindle Unlimited契約者が読んだページ数に応じて収益が加算されますが、1ページあたり0.4円と仮定すると1冊300ページの本を全て読んでもらっても120円にしかならず、月800冊読んでもらっても10万円には届きません。
当たり前ですが無名の個人が毎月こんなにも本を販売する(or読んでもらう)のは99%不可能です。複数の本を出版してようやく月3〜5万円程度、1冊だけだと月1万円程度が限界でしょう。
無策で出版すると最初だけ売れて後が続かない
Kindle本は、無策で出版すると最初だけ売れて後が続きません。初月はSNSなどで宣伝して月5,000〜1万円程度の収益になったものの、数か月後には月1,000円、半年後には月300円程度になってしまう人は、実はかなり多いです。
KindleストアやAmazonには新刊優遇(新商品優遇)が約1か月働いているといわれており、優遇が切れると「対策していない本」の収益はガタ落ちします。
宣伝力の乏しい無名の個人が収益の下落を抑えるには、Amazon(Kindleストア)で本の想定読者が検索する際に、検索結果の上位に自分の本が出るようにするしかないです。
これが先ほどステップ4のキーワードで取り上げた「SEO対策」です。ある程度の収益を維持するためには、SEO対策は欠かせないものといえるでしょう。
Kindle出版は無料で始められる!
Kindle出版は、誰でも無料で始められます。原稿と表紙はパソコンかスマホがあれば簡単に準備でき、出版すればよほど運が悪くない限り1円は稼げます。
維持費や仕入れがなく、特別な機材なども不要で簡単に稼げるのはKindle出版くらいでしょう。ライターやエンジニアなどの仕事と違って納期もないので、自分のペースで続けられます。
このサイトは「Kindle出版は宣伝以外が9割」と名付けているように、宣伝力が乏しい無名の個人がKindle出版で安定して稼ぐためのノウハウを無料で発信しています。Kindle出版関連の情報はKindle本でより詳しく解説していますので、サイトへの支援、応援としてお読み頂けますと幸いです。
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