「Kindle本の原稿と表紙ができた!次はとあるインフルエンサーが言ってた無料キャンペーンだな!いつにしよーかなー」
…ちょっと待ってください。販促で使う人が多い無料キャンペーンですが、私の経験では最初の1冊目以外で目立った効果が出た試しがないです。SNSのフォロワーが1万以上、少なくとも3,000程度いるならともかく、1,000未満の人には不向きです。
この記事では、8冊Kindle本を出版し無料キャンペーンを4冊やったことがある私きたひろが、無料キャンペーンは1冊目以外やる意味がない理由を解説します。
Kindle出版の無料キャンペーンを1冊目以外やる意味がない理由
Kindle出版の無料キャンペーンを1冊目以外やる意味がない理由は4つあります。
<無料キャンペーンをやる意味がない理由>
2冊目からはフォロワーが飽きるから
1冊目は「初出版」などとフォロワーに宣伝できるのでやる意味はありますが、2冊目からはフォロワーが飽きてしまいます。
実際に私もWebライターで1万円稼ぐ教科書で無料キャンペーンをしたときは100冊以上ダウンロードされ、Amazonレビューもレビュー付きのものだけで20件前後いただきました。ですが、2冊目のWebライターで5万円稼ぐ教科書はダウンロード冊数もレビュー数も1冊目の半分程度しかなく、Twitter(現X)での反響もいまいちでした。
同じようなKindle本を2か月間に2冊出版したことも原因の1つですが、「1冊目が反響あったから2冊目は続編を書こう」と考えるのは、出版者として自然な話です。これからKindle出版で無料キャンペーンをする人は、2冊目は無料キャンペーンに頼らない方法を考えましょう。
無料キャンペーンに頼らない方法はこちら
Kindle出版で無料キャンペーンよりもよっぽど大事なこと
大した宣伝にならないから
無料キャンペーンはKindle出版用のアカウント(KDPアカウント)で「マーケティング」の欄にあるためお手軽で効果のある宣伝手法と誤解されますが、実際は大した宣伝になりません。
Amazonには200万冊以上のKindle本が販売されています。宣伝力があるフォロワー3,000〜1万程度の人ならともかく、1,000未満の人が同じことをやっても200冊くらい売るのが限界だと思います。
なお、無料なので何冊売れても売上はゼロです。大した宣伝にならない、売上にもならないマーケティングは、やる意味がないでしょう。
一般読者は本を有料で買うことに慣れているから
Kindle本を探す一般読者は、本を有料で買うことに慣れています。というより、本が無料で全部読めるとは思っていません。
一般読者はAmazonやKindleストアでKindle本を何かしらのキーワードで検索し、あなたの本が表示されて魅力的だと感じれば、相場を逸脱した値段でない限り有料でも無料でも売れます。
実際に一般読者から「次回は有料で構わないので〇〇というKindle本を出して欲しい」といったレビューをいただいたこともあります。目の前のフォロワーだけ考えて、Amazonを利用する何千万もの一般読者の行動や心理を考えないのは、悪手としか言いようがありません。
自分の売上が減るだけだから
当たり前すぎる理由ですが、無料キャンペーンをしても1円にもならないので、自分の売上が減ります。
それでも初出版として宣伝できる1冊目は「自分はKindle出版をしています!」と知ってもらう意味があるのですが、2冊目以降はその意味もありません。
【補足】Kindle出版の99円キャンペーンもやる意味なし
数年前くらいから流行っているKindle出版の99円キャンペーンも、私は「やる意味なし」と考えています。
99円キャンペーンとは、本来は250円や500円のKindle本を、最初だけ99円にするキャンペーンです。Amazonのマーケティング欄にはなく、Kindle出版の経験者が「99円キャンペーン」と呼んでいます。
<99円キャンペーンがやる意味なしと考える理由>
- 一般読者からはパッと見キャンペーンだとわからない
- Kindle Unlimitedの99円キャンペーンのほうが得
- フォロワーが少ないと売上が減るだけ
無料キャンペーンと異なり、99円キャンペーンはAmazonで「キャンペーン」の表示が出ません。一般読者からは、キャンペーンなのかどうかがぱっと見わからないです。内容紹介に書いてあっても、目立ちません。
そもそも個人のKindle出版は、大半がKindle Unlimited対応です。Kindle Unlimited対応なら、Kindle Unlimitedの2か月99円キャンペーンのほうがお得です。
画像引用:Amazon
また、価格を99円にすると印税割合が70%から35%まで落ちてしまうので、売上が大幅に減ります。
<99円キャンペーンによる売上の減少(正規価格250円と仮定)>
- 正規価格:159円
- キャンペーン:32円
キャンペーン中に5倍売ってようやくトントン、正規価格が高ければもっと売らないといけません。フォロワーが1万以上なら問題なく元はとれると思いますが、1,000程度ではほぼ不可能でしょう。
Kindle出版で無料キャンペーンよりもよっぽど大事なこと
Kindle出版で、無料キャンペーンよりもよっぽど大事なことが5つあります。すでにKindle本の原稿と表紙を完成させた人は、内容紹介だけでも工夫して次から本格的に取り入れてみましょう。
<大事なこと>
Kindle本を書くジャンル
Kindle本を書くジャンルは、Kindle出版で稼ぎたいなら最重要項目の1つです。外さなければ誰でも多少は稼げますし、外せばほとんどの人は稼げずに埋もれます。
Kindle本のカテゴリー(ジャンル)は大小あわせて100以上ありますが、大きく3つにわけられます。
<Kindle本の大まかなジャンル分け>
- 需要あり×競合あり
- 需要あり×競合なし
- 需要なし×競合なし
「需要あり×競合なし」のジャンルで出版するのが理想です。ただし、見つけるのは極めて難しく、これだけKindle出版が注目され始めている現状を考慮すればほぼ見つからないと思います。
競合があるジャンルで競合のKindle本からターゲットをずらして出版するのが理想です。
例えば私がWebライターで1万円稼ぐ教科書を出版するときは、月5万円稼ぐ〇〇といったWebライターのKindle本が多く、5万円未満の金額はありませんでした。
同じ初心者向けのなかでも「超初心者向け」に絞って出版した結果、出版してから2年以上経っても一定の収益が生まれています。
タイトルとサブタイトル
タイトルとサブタイトルは、一般読者の検索キーワードに引っかかるものを入れる必要があります。
極端な話ですが、Webライター向けなのに「Webライター」という単語が欠けたKindle本は売れません。あなたのKindle本の想定読者が絶対に検索キーワードに入れそうな単語は、必ずタイトルに含めてください。
サブタイトルは、タイトルを補完する内容とタイトルとは異なる単語を入れます。何を入れたらいいのか悩む人は、「キーワードの見直し(SEO対策)」にも関わる話なので次の見出しもチェックしてみましょう。
キーワードの見直し(SEO対策)
Kindle出版におけるキーワードの見直しとは、出版時に入力する「7つのキーワード」の見直しを意味します。
画像引用:Amazon Kindle ダイレクト・パブリッシング
タイトル・サブタイトルに次いで重要なSEO対策の1つです。詳しくは以下の関連記事にて解説していますが、最低限守ってほしいことは3つあります。
<守ってほしいこと>
- キーワードは2語でもスペースは入れない
- タイトルやサブタイトルと全く同じ単語を使わない
- (サブ)タイトルと関連した単語をキーワードに使う
表紙のデザイン
表紙のデザインも侮れません。競合が全くいないジャンルならともかく、競合がいるならデザインがダサい表紙ではイマイチ売れないでしょう。
デザインセンスのない人が表紙を自作すると、壊滅的なものが完成します。私のKindle本で外注前と外注後を比較すると、どちらがいいのかはいうまでもありません。
さすがに今はもう少しマシな表紙を自作できますが、やはり外注したものと比べてインパクトに欠けます。実際の売上も、外注したKindle本のほうが多いです。
Kindle本の表紙は高くても2万円くらいなので、きちんと売れるKindle本を1冊出版できれば数か月でペイできます。
有料でも買ってもらえる内容紹介
他の4つと比べて優先度は落ちますが、内容紹介も意外と大切です。表紙だけ見て買う人もいるかもしれませんが、無名の個人が書いたKindle本をそう簡単に買うとは思えません。
内容紹介は、タイトルや表紙で興味を持った人が購入するか否かの判断要素になります。
画像引用:Amazon
内容紹介の冒頭で興味を持ってもらえれば、「続きを読む」をクリックしてもらえます。内容紹介では「このKindle本を読んだ後の読者の姿」がイメージできるようにすると、購買意欲が高まるでしょう。
最後に「有料or読み放題クリック」を後押しする文言を入れると、購入される可能性は上がります。実際に私は、元々目次を貼り付けていただけの内容紹介から大きく変更したことで、Kindle本の売上を3倍まで伸ばした経験があります。
Kindle出版は無料キャンペーンなんかよりも大事なことがいくらでもある
Kindle出版の無料キャンペーンは「小手先の戦術」にすぎず、戦術よりも大事なことはいくらでもあります。どのみち、無料キャンペーンなんて3か月に1回、最大5日しかできないものです。キャンペーン中に話題になったとしても、その後有料で売れなければ稼げません。
ジャンル、タイトル、キーワード…など理屈を並べましたが、最も大切なのは「あなたが誰に向けてKindle本を書きたいか」という想いです。想いが薄いKindle本は、フォロワー数の暴力なしには売れません。
稼ぐためにKindle本を出版しているのは私も同じですが、本質は見失わないようにしましょう。
このサイトは「Kindle出版は宣伝以外が9割」と名付けているように、宣伝力が乏しい無名の個人がKindle出版で安定して稼ぐためのノウハウを無料で発信しています。Kindle出版関連の情報はKindle本でより詳しく解説していますので、サイトへの支援、応援としてお読み頂けますと幸いです。
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